Annex of Theatrum Mundi

絶賛更新停滞中のはてダに加えて停滞するblog的な何か

何日か前に書いた30代の話の補足

別の観点からいうと、「趣味を仕事にした」それ以前のオタクと、「趣味と仕事を完全に分ける」オタクの世代変化がここで起こっていると思われる。さらに言うなら、オタクの必修科目として多くのジャンルを履修しなければならなかった世代から、単科のオタクへの以降もこの世代に起きている。一例を挙げると、アニメや模型、小説等に詳しい人間がオタクと呼ばれていた時代から、80年代後半からアニメに詳しければよくなり、さらにアニメの1ジャンルに過ぎなかった「ガンダム」が単独でジャンルを構成し、現在では「ガンプラ」とか「単独作品(SEEDのみとか)」でオタクを名乗れるようになった。このオタクの世界(だけではないが)での断絶は、おそらく学生運動の終焉が関係しているのであろう。現実の世界を変革することに生まれたときから絶望している世代とも言える。他人(それが極少数でも)から尊敬を受けることがアイデンティティの中心にあった時代から、自己満足による自己充足へと収束していく歴史の発端が、ここにあると思われる。自己満足以外に追及するべき目標の喪失、それが現在の日本を包む閉塞感の正体である。