Annex of Theatrum Mundi

絶賛更新停滞中のはてダに加えて停滞するblog的な何か

魔法少女まどか☆マギカ劇場版 新編叛逆の物語

ネタバレしても楽しく観られる性質なのであまり気にしないんだけど、早めに観てきた。
一応ネタバレを避けるため長めの改行を入れて感想というか語りを。




























まどかが魔女を生まれる前に救済するという願いによって人の枠を超えて概念となったのに対して、ほむらは人としてのまどかを願って人の枠を超えて悪魔となった、という対比で観た。
別の言葉で表現すると、純粋な(そしてある種幼稚な)願いを叶えるためには人の姿ではいられず、人の姿を取り戻すためには悪魔となるしかなかった2人の少女の悲劇なのだと思う。
お話の展開としては、テレビ版ではまどかの魔法少女化がデウスエクスマキナとしてそれまでの積み重ねを吹き飛ばしたのに対し、今作ではほむらの魔女化と一連の世界改変で吹き飛ばしたので悲劇ではなく喜劇に変わったのかもしれない。

個人的に大きなポイントだと思ったのは、前半の5人の魔法少女がいる部分が「夢」であり、うる星やつら2 ビューティフルドリーマーと同じ展開だったことだ。
日本において評論の対象となった最初のアニメーション作品へのオマージュを入れることは、逆説的にアニメーション映画において物語を語ると言うことの困難さを証明しているのかもしれない。

あとヱヴァンゲリヲン新劇場版との接点もあるように感じた。
破において人の願いを叶えるために神に近づいたヱヴァ初号機が、Qにおいては人の再生を願うヴンダーになったということと対応しているのではないか。

おおまかにまとめると、アニメーションの名作を参照しつつ、神の領域にまで拡がった物語を人の領域にまで縮退させ、さらに無節操な物語の継続を許さない形に物語を収束させたことが今回の劇場版の目的であったと思う。