Annex of Theatrum Mundi

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珍しく感想「零崎双識の人間試験」西尾維新・著

たまには誰も興味のない自分の日記ではなく、感想なんぞを書いてみようと思う。ちなみにネタバレが含まれるかも知れないので、未読の方は読まないでください。あと、西尾維新の本は(単行本になっているもの)すべて読んでいるものとしてありますのでその点もご注意。
今回は西尾維新・著「零崎双識の人間試験」。戯言遣いシリーズ初のいーたんが出てこないお話。講談社のWebで連載された話を加筆・修正して単行本化している。これは11日に買って、昨日今日と移動の電車内で読んだ。
まず相も変わらずリズムが良い文章に感心した。音楽に例えると、いまどき死語になった純文学をクラシック、町田康とか高橋源一郎をパンクロックとするとさしずめこれはヒップホップといったところ。日本語がこんなにテンポ良く廻っていく文章になるのはなかなかに心地よい。言葉遊びを言葉遊びとして限界まで使い尽くして、状況を速やかに流れさせて終局まで持っていくその才能に感服するばかり。作品の時間的な位置は、零崎人識がいーたんと別れた後(クビシメロマンチスト直後)になるのかな?主人公は人識の兄である双識と、作中の言葉を引用すれば「性質に目覚めてしまった」少女・無桐伊織。この二人が殺し名一位の「匂宮」の分家である早蕨家の3兄妹に襲われる話。相も変わらず人が死にまくるお話ですな(w。ラストとかは一応伏せるけど、作者は毎回「覚悟」の出来具合でキャラの死に様を決定しているとしか思えませんな。見苦しかったり、勇敢だったりするキャラはことごとく死にます。それでも、読了後に鬱になることは無く、むしろすっきりとした気分になる。それは私がおかしいだけなのだが(w。形式をみてみると、Webで何回かに分けて連載されていた都合上、今までの作品よりこまめに見せ場がある。またいーたんが居ないためセリフが多少少な目かな?でもキャラはそれぞれ個性的(バカの壁的に)なので、中だるみとかは無い。そういう意味では、作者の投影っぽいいーたんが居ないのが却ってエンタテイメント性の向上に貢献してるのかも。いつもの人生の選択を迫る場面はほとんど無い。作者が作家として一段レベルアップした感がある。それがきみとぼくの壊れた世界につながっていくのかも。まあまとまりの無い文章ですまんが、強引に結論を出すととりあえず西尾維新の病気に付き合う気がある人は読んどけってことで。

あといつものダメ日記。今日は早めに起きてLOTRを観に行く予定だったのだが、寝坊のため断念。とりあえずアキバでDVD-Rを購入してここで昼食を食べてとっとと帰宅。あと、ついにこれが届いてしまった・・・