Annex of Theatrum Mundi

絶賛更新停滞中のはてダに加えて停滞するblog的な何か

化物語の感想・西尾維新、あるいはハーレムの王

アニメのBDの発売日が近づいて、初回版を購入するか否かを決定するために小説版を読みました。そこで思ったことを少し書きます。
西尾維新の作品でシリーズ物は刀語を除いてほぼ読んでいるのですが、JDCトリビュートを除くとほとんどがハーレム展開だな、ということに思い至りました。おそらくそのことが指摘されたのはわかりやすくハーレムエンドな「きみとぼくの壊れた世界」あたりからだったと記憶しているのですが、どう考えても登場人物(しかも主人公の味方)に女性が多い。天地無用!あたりから男のある種の理想郷としてのハーレム展開が増えていますが、西尾維新はかなり戦略的に導入している気がします。
また会話の面白さが西尾維新の魅力の一つとも言えますが、これは評価の点から観れば表裏一体です。ライトノベルに対する批判の1テンプレとして「会話ばかりで内容がない」というのがあるからです。しかし、この批判をすり抜けるための衒学趣味とそういう批判を避けられるジャンル(ミステリ)でデビューするという2つの戦術によってこの批判は無力化されていると考えられます。
以上2点をまとめた上で誤解を承知で言えば、「西尾維新はミステリにライトノベルの技法を導入することで人気作家となり得た」のではないかと思います。善くも悪くもセグメンテーションがされすぎた市場の中で、2つのジャンルの境界を慎重に歩む西尾維新はやはり才能があると言えます。この傍証としては、同じメフィスト賞受賞作家で似たような評価のされ方をした佐藤友哉舞城王太郎がいわゆる文芸誌にも作品を提供して「作家性」という(ハードカバーに象徴される)幻想を維持しているのに対し、西尾維新は一貫してノベルスなどのソフトカバーの本しか出していないことが挙げられるでしょう。
結論としては「ひたぎたんハァハァ」ということでよろしく(台無し)。

要は思い込み

このところ04:00以降に寝て12:00頃起きるダメ生活を送っていたのですが仕事の都合で数日間08:00に起きたら普通に02:00までに寝て08:00に起きるようになりました。体のリズムはなかなか変えられないと言いますが、変えようと思えばよくも悪くも変わります、ということで一つ。

ネタバレ感想・サマーウォーズ

一子相伝伝統芸能アニメの総本家となったスタジオジブリを追い出された細田守監督最新作品です。紹介は公式ページ http://s-wars.jp/ を見て下さい。
内容に触れずに評価をすると、2時間つつがなく楽しめる作品です。今年の夏の映画では他にヱヴァ破しか観ていないのですが、それとは違うベクトルでお薦めできます。
以降はネタバレを含むので、未見の方はここまでで引き返して下さい。


ここから内容に入ります。
批判したい人向けに1行でまとめると、映像:きれいに観せたい所はきれい、脚本:ありきたり、声優:棒読み、総評:一般人向けお涙頂戴作品となります。
んで一応フォローすると、映像はマッドハウスなのでクオリティは高いです。CGの利用をかなり抑え気味にしていると思うので継ぎ目が見えるとかそういう不手際はありません。季節柄よく出てくる紫陽花などの描き込みは本当にきれいです。ただ作中の仮想世界「OZ」は背景を真っ白にしていて、情報量はすごいんだけどインパクトの薄い描写になっているのが気になります。脚本はありきたりとしましたが、ひねくれた方向けにひねたストーリーになっていないということなので、安心して観られる作品になっています。死亡フラグがわかりやすすぎたり王道のボーイ・ミーツ・ガールだったりしますが。声優は本家ジブリを倣ってかいわゆるアニメ声優ではない一般の俳優が多く、芝居がききすぎていたり逆にきかなすぎたりしています。それが作品全体としてはよい方向に向かっていると思うのですが、いかんせん個別のシーンの弱さに繋がっている気がしました。総評というかターゲットとしていると思われるのが「ショッピングモールに集う家族連れやカップル」だと思うので、穿った見方をする向きにはお薦めできません。ショッピングの合間に2時間泣いたり笑ったりしたいという欲求には誠実に応えてくれます。ひねて穿った見方としては「ジブリを追い出された恨みをジブリ映画的な手法で客を奪うことで晴らす」為に作ったのではないかという気がします。書いてて思い浮かんだのですが、ジブリも2作目が天空の城ラピュタで娯楽大作であったことから、その路線を踏襲しているのかもしれません。

最後に個別の展開について。
とりあえずツッコミどころがたくさんあります。OZが停止したときにも陣内家だけは電話(携帯を含む)テレビ電気水道が正常に動いている、衛星がすごい角度で大気圏に突入しているのに破損が少ない、その割に地表に激突したときの衝撃が小さい、OZは翻訳システムが優秀とか言っている割に世界中の人が日本語しゃべっている、そもそもライフラインシステムを統一プラットフォームに直結しているなどSF?というか科学的な部分は(物語の進行を妨げないために)相当いい加減でした。あとヒロインが初恋相手から主人公に乗り換えるまでが速いので口の悪いところではビッチ呼ばわりされていることは想像に難くないです。自分のかわいさを知っていてそれを有効に利用する姿勢が処女厨には許せないかも。上述したようにメインターゲットがオタクの方々ではなさそうなので些末な部分なのですが、些末な部分にしか目が行かない訓練されたオタクの私には気になったところでした。

以上文句ばかり書きましたが、作品の優劣で言えば明らかに優れた作品です。ド定番が必要なデートムービーにいかがでしょうか?

日記ではなく

ミニブログがメインになってだいぶ時間が経ちました。その間にiPhone 3GS買ったりヱヴァ破4回観に行ったりしてましたけど大したことではないので書きません!なお、ミニブログでもIDはgong01なので適当に探して下さい。今日はいろいろあって豊洲に「サマーウォーズ」観に行ったので感想書きます。

決断できない場合は現状維持です

NTTドコモAndroid端末であるHTC社 HT-03Aが発表されたけど現状公開されている情報だとうーん、とうなってしまう感じ。携帯通信端末でゲームはやらないのでその点はどうでもいいけど、iPhoneApp Storeと比べてアプリの量と質がどうなるかが気にはなるけど、ティザリングが許容されれば(ドコモとしてはしたくないだろうけど)即購入、なければ端末としての魅力でiPhoneかなあ、というところ。このことからわかることは、私はあくまで通信回線を必要としているのであって、その上のレイヤーは自由にしたいんだな、ということ。まあどこの通信会社も自分のところがただの土管になってしまうのは避けたいことだから、難しい要望だということは理解しているつもり。まあHT-03Aの実機を触ってから判断します。iPhone for Everybobyも延長されたし。

iPhoneしかないのかと思いきや

ここ数日毎日iPhoneを買う買わないで頭を悩ませています。MacBookを持ち歩く覚悟は決めたので、あとは通信回線をどれにするかなのですがiPhoneUQ WiMAXe-mobileで毎日葛藤しています。iPhone買ってPDANetが最善だと思ったのですがjailbreak必須なのであきらめ中。もう5月31日まで待ってAndroidが出るならそれ待ち、出ないならUQ買おうかと思います。もしウルトラCで公式にPDANet(もしくはそれに類するiPhone無線ルータ化ソフトウェア)が配信されればそれが一番いいのですが・・・