Annex of Theatrum Mundi

絶賛更新停滞中のはてダに加えて停滞するblog的な何か

感想・誰も知らない

静かな映画だった。子供と動物は扱いが難しいので、使っているという事実だけで感動を呼べるお手軽策として使う作品は多いけど、この作品は子供たちが家族として生きていく過程を淡々と描いており、子供たちも自然(に見える)演技をしていて良かった。基になった実際の事件は知らないけど、現在ではひどく当たり前に見えてしまうストーリーではあった。父も母もいない家族の中で、長男が子供にも関わらず父の役割を担っているのが痛々しい。実際の事件と異なる点として長男と同い年の少女の存在があるのだが、彼女の存在によってラスト近くで訪れる出来事もただの痛ましい事実ではなくかけがえのない記憶へと変わっていくのが子供たちに与えられた救いなのかもしれない。冷静に見れば、この少女がこの作品を映画として成立させるための免罪符とも言える気はする。
以上、まとめるつもりのない文章終了。